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	あぁなぁ〜たぁ〜にぃ〜
	 あぁいぃ〜たぁ〜いぃ〜
		Beleive...


		 オイ
		美味しんぼ


		ヤマオカ  シロウ         カイバラ ユウザン
	第二話	山岡 四郎 vs 海原 雄山

 
		究極と至高のプログラム


 新しい企画の担当に指名された私、栗田裕子と山岡さんは、

早速次の日に社主に呼び出されました。が、何と山岡さんの

姿が見えないんです。

栗田「すみません、山岡さんを見ませんでしたか?社主に呼

   ばれてるんですけど、何処にもいなくて・・・」

社員A「さぁ、山岡さんのことだからねぇ、馬か昼寝か・・

    ・・」

栗田「そ、そんな・・・。私、困ります。」

私は必死に捜しました。そして、最後に残されたのはここ、

資料室だけです。

栗田(あぁ、もう後5分しかないわ。お願い!山岡さん、こ

   こにいて下さい!)

がちゃっ。ドアを開けると、椅子を4台並べてその上に山岡

さんが寝ていました。

栗田「や、山岡さん。起きて下さい。大原社主がお呼びなん

   ですよ?」

山岡「ZZZZZzzzz・・・・」

栗田「もう!よぉ〜し・・・。大変!大穴の超万馬券ですっ

   てよ!」

がばっがしゃっ がんっ

山岡「痛たた・・・。な、何番だっ!」

栗田「おはよう御座います、山岡さん。」

山岡「あっ、ええ?」

栗田「大原社主がお呼びです。」

こうして、何とか山岡さんと大原社主のところへ行くことが

出来ました。

大原「おはよう、山岡君、栗田君。」

栗田「おはよう御座います。」

大原「新しい企画の件なんだがね、まずテーマを教えておこ

   うと思ってな。テーマは「究極のプログラム」だ。つ

   まり、世の中に出回っているプログラムという物は数

   え切れないほどある。初心者がこの中で使い易い物、

   優れた物を選べと言われても大変難しい。そこでだ。

   我々電脳新聞社が、より機能の充実した物、より扱い

   易い物を取り上げて記事にしたらどうかと思ってね。」

栗田「凄いですわ。確かに、初心者にとってはどれを使うの

   が一番良いのか判りにくいですものね。その沢山ある

   プログラムの中で、どれが一番良いのかって言うのは

   とても意味のある記事になると思います。ね、山岡さ

   ん?」

山岡「俺はぁ、そんなことに興味は無いね。大体どれが良い

   かってのは使う人が決めることだ。我々がそんなこと

   をしてやる必要はないですよ。」

栗田「山岡さん!?」

山岡「俺が知っている男に、最低の奴がいるんだ。その男は、

   プログラム技術、機能に異常なまでにこだわり、人を

   不孝にしていったんだ。俺はあんな男と同じになりた

   くないんだ。失礼します。」

きぃ、ばたん。山岡さんは、こう言い残して出ていってしま

いました。私は直ぐに後を追いました。すると山岡さんは、

自分の椅子に座って競馬新聞を読み始め、何食わぬ顔で競馬

の予想を始めました。

栗田「ちょ、ちょっと!山岡さんっ!何をやったか判ってる

   んですか?」

山岡「ん、ああ。そうだ、栗田君。お茶、注いで貰えるかな?」

栗田「知りません!」

山岡「じゃ、木下さ・・・」

その時、ドアをノックする音がしました。

海原「失礼する。」

富井「あ、あんたはいったい?」

「こ、これは海原先生。この方は有名な言語研究評論家であ

られる、海原 雄山先生だ。海原先生、今日の御要件は何で

しょうか?」

海原「うむ。ここに私の息子がいると言う噂を聞いたのでな。」

「は、はぁ・・・」

海原「どうやら本当だったらしいな。ところで、この電脳新

   聞社で「究極のプログラム」という企画が出来たそう

   だが、それは本当か?」

「はい。担当は、栗田と山岡に先日決定致しました。」

海原「なに?そうなのか四郎?」

山岡「・・・・そうだっ!」

栗田(えぇっ?山岡さんは雄山の息子さんなの?)

海原「ははははは、大原社主もお人が悪いな。馬鹿息子の四

   郎にこのような企画を任せるとは・・・。大原社主に

   伝えておけ。四郎のような使い易さも判らん馬鹿に任

   せては究極のプログラム等集められんとな。」

山岡「なにっ!じゃあお前には使い易さ馴染み易さが判るっ

   て言うのか!!」

海原「ほぉ、では四郎、お前にも判ると言うのだな?」

山岡「・・・・っ!」

海原「面白い、では一週間後に勝負してやろう。テーマは文

   書整形だ。」

山岡「受けてやるっ!」

栗田「山岡さんっ!」

------------------------CM---------------------------

ヘルツ、ヘルツ、ヘルツ、ヘルツ
 ヘルツ、ヘルツ、ヘルツ、ヘルツ

  ごくっ、速いんだなぁ、これが・・・・

	キリンメガーヘルツ・・・
		生・水晶振動子メガヘルツ99も新登場!

ぐっどもぉ〜〜にぃぃん〜	[実行]

	やっと完成したわ。では早速・・・・カタンッ

  ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・

	ほげっ!跳んでぇ〜らぁ!

ばっどもぉ〜〜にぃんっ!

	クノォ〜ル PASCALソース 新発売!


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 そして一週間後、対決が行われました。会場には「鬼道」

が選ばれ、「鬼道」のおかみさんも審査員として加わること

になりました。
ビゲン クラブ
美言倶楽部員(以下美言)A「えぇ〜、皆様お忙しいところ

			  をおいで頂きまして有難う御

			  座います。」

おかみ「本日は、意義ある対決の場に私どもの「鬼道」を御

	利用頂きまして、誠に有難う御座います。つきまし

	は、お二人の決戦の後に当料亭の品をお持ちしたい

	と思いますので、どうかそちらの方もお楽しみ下さ

	いますようお願い申し上げます。」

美言A「では、早速ですが、我が美言倶楽部の会長であられ

	る海原先生の作品をご覧にいれましょう。」

皆の前にはX68000が出されました。続いてディスクが

2枚出てきました。

栗田(山岡さんと同じ機種でやるのね。)

美言A「それでは先生、御説明をお願い致します。」

海原「うむ。ではまず、X68000を選んだ理由から言っ

   ておこう。それは、文書を扱うのに元から適していた

   からだ。なぜならば、標準で日本語ワープロの優れた

   物が付録され、しかも、普通のエディタで書いた物も

   プリンタへ出力させるためのツールが付録されていた

   からだ。他の機種ではまずこれらのツールを買い揃え

   ねばなるまい。」

おかみ「ほぉ・・・」

富井「さすがX68000ですな。」

大原「しかし、問題は文書整形だが・・・」

栗田(確かに、エディタの機能は素晴らしいけど・・・)

海原「そこで、私が今日皆様にお見せするのは、PR.Xで

   す。これは、皆様もご存じの標準コマンドですな。し

   かし、これだけでも結構なのです。取敢えず、仕様を

   ご覧下さい。」

------------PR.Xの仕様----------------------------

X68k Print v1.01 Copyright 1989 SHARP/Hudson
使用法:pr[スイッチ][入力ファイル][出力ファイル]
	/f		フォームフィードコードの出力
	/hタイトル	タイトルの設定
	/l数値		ページ長
	/w数値		ページ幅
	/n		ラインナンバーの出力
	/t		ヘッダーの出力禁止
	/b数値		タブサイズ(2,4,8,16)

------------------------------------------------------

栗田「凄い!各行に行番号も付けれて、プリンタに設定され

   てなくても水平タブが取れるようになってるのね。し

   かもページ当たりの行数まで指定出来るなんて。そし

   て全てを書き終わった時の紙送りまで出来るのね。」

大原「なかなか、機能もある物だな。」

海原「では、早速2枚目のディスクの方に試験用の文書が入

   っていますので、お試し下さい。」

富井「ほぉ〜、綺麗なもんだねぇこりゃ!」

大原「うむ。なかなか使えそうだな。」

海原「どうです?これだけの物がメーカーからだされている

   のです。しかし、大抵はワープロソフトを使ってしま

   い、このような物の存在を忘れてしまうのです。しか

   も、メーカーの作り上げた物ですから後のサポートも

   期待出来るでしょう。」

栗田「確かにこれは隠れた名作だわ!」

美言A「では、もう見るまでもないでしょうが決まりなので

	電脳新聞社の企画担当、山岡さんの作品を次にご覧

	にいれましょう。」

今度は、ディスクが一枚だけ出てきました。

美言A「それでは山岡さん、説明して下さい。」

山岡「ああ。俺からは、オリジナルの物です。開発時間の短

   縮のためX68000で制作しました。まずは仕様を

   ご覧下さい。」

------------TBSPC.Xの仕様----------------------

Tab to Space code converter version 1.12+
presented by SHIMSOFT.
書式  TBSPC [スイッチ] ファイル名
機能 タブコードをスペースに置き換えてファイルに出力します。
	-Tn [n=2,4,8] タブサイズを設定します。(デフォルトは8です。)
	-F [出力ファイル名] 出力ファイル名を指定します。
	          デフォルトは入力ファイル名の拡張子が'.SPC'
	          のファイル名で出力します。
	-P ファイルの最後にフォームフィードコードを追加します。
	   疑似命令の禁止に関係しない
	-N プリンタ疑似命令を検索しない。
	-E NECフォーマットで出力する。
	   省略するとSHARPフォーマットで出力する。
	-L プリンタ疑似命令一覧の表示
	-U 変換したファイル名を表示しない
	-I JISコード変換中の1バイト文字にインターバルを入れる。

------------------------------------------------------

栗田「?1ページの確定が出来ないの?」

山岡「それでは一つずつ、説明していきます。Tスイッチは

   PR.Xと同じです。Fスイッチはどうしても出力フ

   ァイル名を指定したい時に使います。デバイスにも対

   応しています。だから、プリンタへの直接出力も可能

   です。PスイッチはPR.XのFスイッチと同じです。

   Nスイッチからは、次のプリンタ疑似命令という物を

   ご覧下さい。」

------------プリンタ疑似命令一覧。--------------------

Tab to Space code converter version 1.12+
presented by SHIMSOFT.
プリンタ疑似命令一覧
以下の命令をテキスト中に置くことで、プリンタ制御出力が行えます。
任意の位置における命令
	.si 〜 .so	括られた文字列を倍格にする
	.ee??	拡大サイズの指定。(縦1-4,横1-4)
	.hp	HDパイカモード設定(標準)
	.qo	コンデンスモード設定(縮小文字)
	.s1	上付き1/4角モード
	.s2	下付き1/4角モード
	.s0	1/4角モード解除
	.e! 〜 .e" 括られた文字列を強調する
	.e_?	アンダーライン/オーバーライン(1/2)
	.ex 〜 .ey	括られた文字列にラインを引く
	.js 〜 .je 括られた文字列(2バイトコード文字)を
	     	SHIFT JIS CODEからJIS CODEに変換する
	     	1ファイル中のみ有効
	.ek	漢字の横印字モード(標準)
	.et	漢字の縦印字モード
	.fs?	特殊フォント(0〜3)
	.fc?	文字修飾(1〜5)0で解除
任意の行の先頭に置く命令(この行は疑似命令のみ有効)
	.ET??	改行幅の指定(??=00-99)/120インチ
	.Ea	改行幅の初期化(1/6インチ)
	.Ul??	n行改行する(00<=n<=72)
	.Vt	垂直タブ
	.Ff	改ページする(強制的に分割する)
	.Ce	疑似命令の検索中止 1ファイル中のみ有効
	   	連続変換する場合は疑似命令の無いファイルの先頭に
	   	この疑似命令を置くと良い

----------------------------------------------------

海原「むう?」

富井「何だいこりゃぁ〜?」

栗田「えぇ!もしかしてこれ・・・」

大原「山岡君、説明したまえ。」

山岡「はい。まだ説明していないスイッチは、手持ちのプ

   リンタの持っている機能をもっと引き出すための物

   です。まず、付録のPR.Xはタブの印字には有効

   ですが、漢字の入った文書だとプリンタによっては

   印字出来ません。それは、実際に送られているコー

   ドはシフトJISコードなので、それに対応してい

   なければ印字出来ないのです。それを解消するため

   にJISコードへの変換機能を付けておきました。

   プリンタ疑似命令に至っては見ての通り、プリンタ

   自体の機能を使ってワープロソフトを使ったかのよ

   うに文章を印字出来るようになります。ファイルサ

   イズはPR.Xよりも幾分大きくなりますが、使い

   道の多さから見れば問題にはならないでしょう。そ

   して、唯一同じ動作であるタブをスペースに置き換

   える機能で速度比較をしてみて下さい。サンプルは、

   W_PUT.FNCのソースであるW_PUT.S

   をお使い下さい。」

---------------実行結果------------------------------

条件
	1.ヘッダ等は付けない。

	2.ページングしない。

	3.フォームフィードコードを追加する。

	4.実行時間はT.Xによって測定する。

>T PR -T -F W_PUT.S W_PUT.SPC
    0:00:00:01.08

>T TBSPC -P -U -N W_PUT.S
Tab to Space code converter version 1.12+
copywrite 1992/ 10/ 7,31 11/ 20,21,24,25,27 12/ 30
copywrite 1993/ 1/ 6,9 ver 1.12+
presented by SHIMSOFT.
プリンタ疑似命令を検索しません。
SHARPフォーマットで出力します。
    0:00:00:00.64

注) TBSPC.Xはコメントをファイルに落としている
  分時間が掛かっています。−0.10ぐらいの修正で本
  当の時間になります。PR.Xは実行時にコメントが出
  ないので変わりません。
------------------------------------------------------

栗田「えぇ!?」

大原「これまた随分と速い物だな。」

山岡「見ての通り、機能が豊富なのに加え、同じ動作をする

   のにも処理が速い。しかもプリンタの機能も引き出せ

   るから、このソフトとテキストエディタがあれば、一

   種のワープロとしても使えるはずです。」

富井「そりゃ凄いなぁ、いやまったく。」

栗田「素晴らしいわ。PR.Xに比べてこんなに機能が多い

   のに処理が速いなんて。」

山岡「速度の差は、食わせるテキストのサイズが大きくなれ

   ばなるほど出て来るんだ。」

海原「ふん、しかしこれでは完全な保証という物がないでは

   ないか。」

山岡「保証なんていうのは要らないね。メーカーの保証なん

   ていうのは形だけだ。しかも、PR.Xはバージョン

   アップもほとんどされていない。それに、ソースもつ

   いてないんじゃユーザーが手を加えたくても加えられ

   ない。コンピュータというのは使わされるんじゃなく

   て自分で使う物だ。」

海原「不愉快だっ!やはりこのようなプログラムも判らん奴

   と対決の場等持たぬべきであったわ。考えてみるがい

   い、四郎。機能が良いとはいえ保証もされていないよ

   うな物を使うユーザーがいると思うのか?やはり、メ

   ーカーに付けられた保証という物は強いのだ。私はこ

   れで失礼するっ!!」

山岡「勝手にしろっ!」

海原「ああそうだ、もう一つだけ忠告しておいてやろう、四

   郎。」

山岡「何っ?」

海原「そのTBSPC.Xには重大な欠点があるのだろう?

   そしてそのこともお前は判っておるはずだ。ふんっ、

   周りの者が気付かなくて救われたな、四郎!!」

山岡「くっ・・・!」

富井「へ?何のこと言ってんだい?完璧じゃないかこのTB

   SPC.Xってのは。」

海原「大原さん。この富井という奴もこの企画から外した方

   が良さそうですな。まったくっ!!」

大原「は、はぁ・・・・?」

そう言い残して海原雄山は席を立ちました。

栗田「そ、そんなことないですよ山岡さん。雄山は苦し紛れ

   にああ言ったんですよ・・・山岡さん!」

富井「そうだそうだ。山岡、落ち込むことはないぞぉ!あの

   雄山に勝ったんですからねぇ!」

大原「そ、そうなのか?山岡君?」

山岡「違うっ!あの男はTBSPC.Xの弱点を見抜いてい

   たんだ。やはり速さだけでは勝てなかったのか・・・」

栗田「どういうことなんですか?」

山岡「メモリの問題さ。PR.Xは1行毎に処理をしている。

   つまり、作業用の領域は1行分の文字列が格納出来る

   256BYTEと変換後のデータを一時的に溜めてお

   く256BYTE、つまり512BYTEがあればそ

   れでいい。だから1行ずつの読み込みに時間が掛かる。

   だが、その小さなバッファで済むためにどんなに大き

   なテキストを変換させても、実際に消費するメモリは

   少なくて済むんだ。それに比べるとTBSPC.Xは

   速いが、テキストのデータを全てオンメモリして変換

   作業を行うために、メモリの消費量が激しい。つまり、

   空きメモリが少ないとテキストの変換が行えなくなる

   んだ。」

栗田「そ、そうだったんですか・・・」

大原「しかしだな、山岡。実際X68000という機種の最

   近の物は標準で2Mもメインメモリを持っておるんだ。

   出初めの機種でも1Mと他の機種に比べれば遥に大き

   いメモリ空間を持っているんだ。そんなに問題じゃな

   いと思うがね?」

山岡「甘いですよ。我々のような記者が書くようなテキスト

   のサイズを考えてみて下さい。素人なら、大きくても

   20Kが関の山でしょうがしかし、我々の原稿は、優

   に100Kは越えています。そして、タブの変換は最

   高で8文字のスペースに変換されます。つまり、最低

   でも、元データを格納する100Kと変換後のデータ

   を格納する800Kが必要になるんです。そうなると

   1M環境だったら・・・もう実行は不可能に等しい。」

大原「そ、そうかっ!」

栗田「そ、そんなことを雄山は見抜いていたと言うの?」

富井「だからどういうことなんですか?」

山岡「俺の・・・負けだっ!」

次の日、山岡さんは有給で欠勤してました。その時、ある郵

便物が届いていたのです。それは、海原雄山からの小包でし

た。それには手紙も添えられていました。

「四郎、ここにプリンタに関する資料を与えてやる。もう少

 し有効に使えるように改良するが良い。実際一般ユーザー

 から見れば膨大なテキストを扱う必要は無いはずであろう

 から、TBSPC.Xとやらも扱える範囲であろう。試し

 てみるが良い。自分の力が通用するものかどうかな。

 勉強するんだな、四郎。

             海原 雄山」



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